ミネズオウの花→

この日、新聞やTVで「高山植物55株を盗掘」の報道が流れました。これは、10月3日に起こった事件だったのですが、26日、2名が森林法と自然公園法違反の容疑で釧路地検に書類送検されたため今回の報道になりました。
容疑者2名は、10月3日、阿寒湖国立公園内の雌阿寒岳に阿寒湖側から入山し、7合目から8合目にかけて自生する高山植物8種(ガンコウラン、イワウメ、ミネズオウなど)を55株(約13万円相当)を盗掘したとされています。
高山植物は高い値で取引されるされるので、各地で盗掘がたえません。今回の2名は家庭園芸が目的だったようですが、いづれにしても盗掘は許されない犯罪です。今回の事件に関して、阿寒湖パークボランティアの方が投稿を寄せてくれたので、一部引用します。じっさいに現場を視察しに行ったときの様子をおりまぜての報告文です。
〜ここから引用〜
盗掘者は湖畔コースから入山し同じ湖畔側に下山してきた時、不審に思った登山者の通報により逮捕された、と聞いていました。
登山者が多く、視界の広がっている登山コース沿いではやっていないだろう。「盗掘された植物に高価に取り引きされるミネズオウ、イワウメなどが多い」と聞き、一般登山者の視界から隠れる剣が峰北西斜面で取られたのではないかと見当をつけてみました。
年代ごとに爆発を繰り返してきた雌阿寒岳では、複雑な火山地形のハイマツ帯から上ではまだ植物数が少ないのです。私達は、高山植物が現在進行形で火山灰・礫でおおわれた山頂部をめざして這い上がろうとしている姿を目にしているのです。わずかな水分を求め、風に飛ばされないように、斜面を崩れ落ちないように、と必死に砂礫の中に根を伸ばしている姿を見ているのです。
その高山植物が盗掘によって地表面から引き剥がされた跡は無惨にです。安定していた斜面がそこから崩れだし、雨水が通る道になり、つぎの植物が入り込んでくるまでにとても長い年月が必要になってしまいます。雌阿寒岳では、もともとハイマツ帯から上の高山帯で、植物の種類と量がとても少ないのです。そこで盗掘が繰り返されていると山が荒れるだけでなく、雌阿寒岳特有の高山植物が絶滅してしまう恐れまであります。
どこの山であっても盗掘は許されない犯罪ですが、雌阿寒岳では絶対にあってはいけないのです。
そんなことを考えながら剣ヶ峰の斜面に盗掘の跡を探してみました。そこでは目立つ盗掘跡を眼にすることができませんでした。風化しかかっている古い盗掘跡、近年のものと思われる新しいあとがひとつ。
何回か盗掘を繰り返してきた犯人は、他の登山者に簡単にみとがめられるようなところは採っていないというところでしょうか。今回、盗掘者の動きを不審に思った登山者が通報し、逮捕に至ったのは幸いだったと思います。山で不法行為をする人にとがめ立てするのは勇気のいることですが、今日では携帯電話が発達していることもあり、不審者に気付かれずに通報することも可能になっています。阿寒を守ることに少し神経質になって、不審なことがあったら、連絡を取り合い、時には関係機関に通報することも必要でしょう。
下山しながら、振り返ると、深く蒼い空に剣ヶ峰が鋭くそびえていました。山に伸び上がっていく緑のハイマツもまもなく雪の下になってしまうでしょう。
〜引用ここまで〜
屋根つきの立派な足湯。雨の日でも安心です。→
阿寒湖畔のキャンプ場に来年から足湯ができるので、現在
その工事が進んでいます。今日、用事があって、見る機会が
あったのですが、足湯は、ほとんど完成していました。大きさ
は想像していたよりかなり大きくおどろきました。キャンプする
人たちにとってはとてもいいかんじの足湯になるような気がし
ます。.
展示の様子→
今年度から観察会を実施した時の様子の展示をして
いるのですが、ムックリ作成体験会の展示も今日だしま
した。右の写真のように展示してます。過去の観察会の
展示も並んでますので、来館する機会がありましたら、
是非ご覧ください。
レクチャー室の机の上で紹介しています。→
レクチャー室でタンチョウポストカードの紹介をしています。これは、タンチョウ保護のための寄付(1口1000円)に協力していただいた方に、5枚1組のタンチョウオリジナルポストカードをプレゼントするというものです。この寄付は日本野鳥の会:鶴居タンチョウサンクチュアリでのタンチョウ保護活動に生かされます。
郵便局で振込みしたあと、2〜3週間でポストカードが
届きます。一般のカメラマンがとった写真のなかから厳
選されて選ばれた5枚の写真です。申し込み用紙を用意
していますので、タンチョウ保護・ポストカードに興味のあ
る方は、受付カウンターにお尋ねください。
↑ムックリ作成の様子。
この日「ムックリ作成体験会」を行いました。内容は2部構成で、午前中はアイヌコタンでムックリの作成、午後は阿寒湖畔の遊歩道で野外音だし実験を行ったのですが、当日のおおまかな様子は「年間イベント予定表」の方にのせていますのでそちらをご覧ください。
今回のイベントは、もともとアイヌコタンで[ムックリ作成体験]を
行っていたというのが企画のきっかけでした。この作成体験に
くわえ、「アイヌがじっさいにムックリを演奏していた情景を想像
できるように」ということで、野外音だし実験など、いろいろな体
験をくわえた結果、全体的にはなかなか面白い内容になったと
思います。また、アイヌコタンの方と協力する形で行事が実施で
きたのもよかったです。
今後も野外の自然観察などをおりまぜながら、アイヌの文化
を紹介するイベントができればと思った今回の観察会でした。
アイヌ民族の伝統的な楽器にムックリというものがあります。、この楽器は竹で作られた直径15cmほどの小さい楽器で、楽器の中央に細い弁が切り出してあり、それを振動させて発する音を口の中に共鳴させて音を響かせます。
今月16日にこのムックリの作成体験会を行うので、ムックリについていろいろ調べてみると、さまざまな資料を見つけることができました。
「口琴の魅力」「世界に分布する口琴」「口琴の使われ方」など、いろんな資料があるなかで「さまざまな素材を使った口琴作成の試み」の資料はとても興味深いものでした。そのなかの、学校教育の題材として下敷きでムックリを作るという試みを紹介した記事などはとても参考になり、作り方も書いてあったので、じっさいに下敷きと道具をそろえ、下敷きムックリを作ってみました。3種類の下敷きでとりあえず完成品を作り、鳴らしてみると、たしかに音が鳴りました。また、、素材によって、音の響きが異なるのがとても面白かったです。この記事の事例では、「アイヌのムックリは世界各地にある口琴の中のひとつであることを知ってもらおう」というねらいで、この下敷きムックリのほか、手持ちの世界各地の口琴の演奏も行い、音の違いかんじてもらったようでした。
当日は、2部構成で、@ムックリ作成と演奏講習、アイヌ生活館の見学(10:00〜12:00)、A野外散策(阿寒湖の湖岸での演奏など)という内容を考えているのですが、この日は、@のムックリ作成の指導をしていただく、アイヌコタンにうかがい、当日のスケジュールの打ち合わせなどを行いました。
上記の下敷き口琴なども持参し、世界の口琴との音比べができればいいのですがとうかがったところ、もっている方がいるとのことで、できそうだという返事をいただけたました。体験会の内容にに広がりができ、とてもよかったです。 さまざまな文献資料をまとめた今回の体験会用の資料もなかなか充実した内容になりましたし、午後からの野外音だし実験もなかなかいい雰囲気なので、いい天気になって是非実施できればと思います。さいごに新聞広報用に流した今回の体験会のお知らせをそのままのせておきます。
「ムックリ(口琴)は、アイヌの伝統的楽器です。中央の弁の振動を口腔に反響させることで、音を響かせます。手のひらサイズ小さな楽器ですが、さまざまな演奏技法・文化的背景など、小さい体のなかに興味深い事柄がたくさんつまっています。 / 今回の体験会では、ムックリを作成するところから、音を鳴らすまでを体験します。ムックリの音の鳴る仕組みについて理解しながら、鳴らし方によってさまざまに変化する音色を楽しんでもらいます。午後からの野外散策では、野外でムックリをふいてみます。静かな湖畔の岸辺などで吹くとけっこう遠くまで響くので、阿寒湖畔のボッケまで散策し、湖畔で演奏してみます。 / また、世界の口琴との比較、アイヌ生活館の見学を行うほか、野外散策の途中、竹が手に入る前のムックリの材料と思われるもの(サビタ・カツラ・鹿角)の観察なども行います。ムックリに親しみながら、自然と共に生きる生活をしていたアイヌの文化を学ぶ体験会です。」
この日、今年始めて温泉街にまとまった雪が降りました。去年より2週間ほどおそい初雪です。12日以前にも、ごくわずかに雪が舞うというようなことはあったのですが、この日は朝から昼にかけ降りつづけ、白湯山のスキー場のゲレンデも白くなっていました。
エコミュージアムの展示室は、床面が航空写真になっているのですが、本日から5日間その張替え作業を行う予定でした。エコミュージアムがリニューアルして1年半、展示室に入る際はスリッパに張り替えてもらうなどの対策をとっていたのですが、色あせは予想以上にはやく、表面のすべりどめ加工もけずれ、安全面でも心配が出てきたので、今回の一部張替え作業を行うことになりました。
今回の作業が延期になったのは、新しく張りなおす航空写真とそのまま残す航空写真との色がかなり違っていたためでした。ある程度調和がとれるよう調整したはずだったのですが、じっさいあわせてみるとダメだったようで、再度色の調整をやり直すとのことでした。このような事情で、工事は12月7日〜11日に延期になりました。
また、工事にあたって、来館者の方のマリモに対する関心の大きさをあらためて知ることができました。9日の午前中、展示室を立ち入り禁止にしたためマリモの観覧が不可になっていたのですが、多くの方が「マリモ見れないの?」と受付までたずねて来ていました。事情を説明してもあきらめきれないようで、展示室の外からマリモの水槽を眺めている様子でした。まだ本格的な作業もはじまってなかったので、工事の方も申し訳なくおもったようで、その都度展示室に入ってもらい、マリモを観覧してもらっていました。
11月8日、朝エコミュージアムに来ると、またエゾモモンガが館内に侵入していました。この現象は今年の春からはじまったもので、今回で4回目でした。暖炉のある部屋の煙突から入ってくるので、いつもはその部屋の周りをうろうろしているのですが、今回は展示室の中まで逃げ込んでいました。
展示室の隅っこの方にエゾモモンガの模型が展示してあるのですが、そのうしろの樹木標本の上に本物のエゾモモンガはいました。模型と本物が一緒に写っている写真もとることができたのですが、姿勢がそっくりなのが面白かったです。
そのあと、エゾモモンガはならべてある樹木標本の上をとびま
わってなかなかつかまらなかったのですが、虫取り網などで追
い詰めると、とうとう床面の上に飛び立ちました。床面の上をワサ
ワサにげ、また樹木標本の上に逃げられたのですが、縁のところ
にじっとしていたので、うしろから網をかぶせて捕獲することができ
ました。
すぐに裏の森に放しましたが、エコミュージアムの中は暖かいの
で、また入ってくるかもしれません。放した後、暖炉付近を見てみる
と、モモンガの糞がパラパラちらばっていました。(侵入したエゾモ
モンガの様子は、11月12日よりミニ展示コーナーで展示しています。)
登別・地獄谷にて。緑のはっぴの方がボランティアガイドの方です。→
エコミュージアムの維持・管理をおこなっている自然公園財団・阿寒湖支部では、駐車場の営業が終わるこの時期に毎年研修旅行をおこなっています。今年の研修地は支笏湖と登別で少々遠距離の研修となりました。
バスに乗っている時間が多かったのですが、日勝峠をこして、支笏湖に近づくと木々の紅葉がまだ残っているのが印象的で、道東との気候のちがいがかんじられました。
今回の研修で、印象に残ったことは、各地でのボランティアの活動でした。支笏湖のサケ・マス孵化センター館内には、ボランティアガイドのコーナーがあり、水槽を見ていると、気軽に話し掛けいろいろ説明してくれました。支笏湖ビジタセンターでは、週6日、パークボランティアのメンバーがローテーションをくみセンターに常駐し、館内を野外の案内をしているとのことでした。登別の地獄谷ではじっさいに30分ほど案内をしていただきました。
団体でのガイドになると、自分のペースで散策できず、あわただしい
という面もあるなと思いましたが、ただ歩くだけで分からないことが聞け
るのはいいなとあらためていいなあと思いました。旅行する先々でこの
ようなガイドしてくれる人がいるのはとてもいいことだ思います。案内の
仕方・対応の仕方などいろいろ勉強になることも多く、有意義な研修旅
行になりました。
エコミュージアムの前庭には、いま2.5mぐらいの竹ざおがたくさん立てられています。これは、除雪の目印とするもので、道路のところと芝生のところの境目に立てています。毎年、初雪が降る今ごろに立て、大雪に備えます。
↑マリモはとてもいい手触りです。みんな手に持ってうれしそうでした。

11月1日、秋のマリモ生育地観察会がありました。この観察会は、阿寒町のマリモ研究室を中心に行っているものですが、エコミュージアム職員も補助として参加したので、その様子を報告します。今回は、おもに地元の子どもたちを対象にした観察会で17名の参加者がありました。
この日は、マリモが生育する阿寒湖の北岸チュウルイ湾に到着後、4班に分かれてマリモの観察を行いました。@船上からのマリモ観察、A陸上でのマリモ解説、B周辺散策を順番に行ったのですが、もっとも期待がおおきかった@船上からのマリモ観察では、マリモは見えませんでした。アオコがでていたのが原因でした。例年であれば、秋になるとアオコがなくなるのですが、今年は天候の影響のせいか、いまだに残っていたようです。残念でしたが、見れないことを見るのも大切なので、アオコが発生する仕組みやマリモへの影響などを説明しながら観察してもらいました。
陸上で待っている班は、マリモ研究室の学芸員高山さんが湖底から潜って拾ってきた直径15cmぐらいのマリモを観察したり、チュウルイ湾の水辺で胴長をはいて遊んだりしました。チュウルイ湾の水辺はとても澄んでいるので、こどもたちも楽しそうに水の中に入っていました。
チュウルイ湾での観察が終わったあとは、尻駒別という場所でも観察を行いました。ここは、およそ60年前にマリモが絶滅してしまった場所です。原因は鉄砲水による木材流送、水力発電による水位低下、温泉街から流れる排水による水質悪化などだといわれています。そのような歴史について簡単にふれたあと、ここでは、観察中に見た多くのゴミなどの話をしながらなにげなく捨てたゴミが自然に与える影響について考えてもらいました。「阿寒湖には年間180万もの観光客が訪れますが、そのひとりひとりが一個ゴミを捨てれば、180万個のゴミがたまってしまう。」という問いかけを子供たちは静かに聞いていました。(一部の子は水辺でちょろちょろ動き回ってました)。
運営側の思いをすべて伝えきるのは難しいですが、子供たち
は水辺に打ちあがったマリモの破片で水切りしたり、産卵あとで
弱ったアメマスを追っかけたり、胴長で水の中に座ったり、それ
ぞれ水遊びを満喫している様子で、それはとてもよかったと思い
ます。質問コーナーでも「マリモはなんであんなにきれいな丸に
なるのですか?」、「マリモを食べる生き物はいますか?」、「冬マ
リモは凍るのですか?」などいろんな質問が出ていました.。
今回のような観察会がマリモだけでなく、マリモが生息する水
辺、阿寒湖全体の自然、身のまわりの自然などに関心を持つき
っかけになったならと思います.。(今回の様子はエコミュージア
ムのミニ展示コーナーで、11/2〜11/12にかけて展示しました。)
2003年11月
エコミュージアム日誌
↑樹木標本の上からこちらをうかがうエゾモモンガ。