第50回の支部定期大会で執行委員長の大役を仰せつかった支部専従の乙川です。

 労働組合の基本理念は「助け合いの精神」に基づくものであり、1人で解決できない問題を多くの仲間の力を結集し、解決に導いていくことにあり、全駐労横須賀支部は結成以来50年この精神に基づき、地域に根ざした労働組合として活動をしております。

 さて、米軍基地で働く従業員の雇用形態ですが、日米地位協定に基づき、日米間で締結した「基本労務契約(MLC)」及び「諸機関労務協約(IHA)」の定めにより、米軍からの労務要求に基づいて、日本側が雇用主として従業員を採用し、米軍が使用主として指揮監督する、いわゆる間接雇用方式をとっています。

 この雇用形態は一般民間では見られないものであり、究極の派遣労働と考えていただければ近いものになると思います。

 次に、労働組合とはどのような事をするところなのかということを少しお話しますと、組合の日々の仕事の一つに相談業務があります。これは職場で発生したさまざまな問題を組合員と組合が一緒になって、横須賀防衛事務所(B側)をつうじて軍側(A側)と交渉して解決にあたる業務です。

 従業員に違反行為があった場合、MLC(基本労務契約)やIHA(諸機関労務協約)に制裁措置が執られると規定されています。MLCやIHAのもとで働いている以上、明らかに従業員に非があると認められる場合は、規定に則ってその従業員の矯正を目的とした必要最低限の制裁措置を受け入れなければなりませんが、しかし、MLCやIHAの違反行為を受け入れなければなりませんが、しかし、MLCやIHAの違反行為及び制裁措置を不当に拡大解釈し、本来の目的である「従業員を矯正し、職場の秩序と規律を維持すること」及び「制裁は、必要最低限のものでなければならない」とする趣旨に逸脱する不当な制裁を課す傾向にあることから、組合は組合員にこのような問題が降りかかった場合、組合員からその時の状況や事情を充分に聞き、米側の執った行為が正当であるのか、また、その決定が適正であるのかを明らかにするため、軍側の調査が不十分である場合、事業主である横須賀防衛事務所に独自の徹底した調査を申し入れ、組合員に不当な嫌疑による制裁措置が執られないように米側と交渉させ問題の解決に全力であたります。

 このように、1人では解決するには時間と労力を費やさなければならないことも、組合と一緒になって問題にあたることで、不当な制裁問題を解決することができます。

 数は力です。組合員が多ければ多いほどその力は大きくなり、自分たちの要求を正当に主張することができるのです。
 1人でも多くの基地従業員の方に組合に参加頂き、より良い職場環境や生活保障を勝ち取ってゆきましょう。

2008年11月
全駐労横須賀支部
執行委員長 乙川寛喜