トップページへ
 
 たまねぎの栽培 
 
1.ビニールハウスで苗作り  

 
「双 璧」
撮影者:松江潤
 
 定植機で植えられた苗が整列する北見市端野町のたまねぎ畑。(左は大麦)
 真っ直ぐな列になって並ぶたまねぎ苗の隣同士の間隔(株間)は約11cm、列と列の間隔(畝間)は約30cmで、一反(1,000u・10a)に植える苗は3万本にもなります。

 2月下旬から、ビニールハウスを作り中の地温を高めて種まき(播種)の準備に入ります。
 種は機械で扱いやすいように粘土でコーティングされています。その形はまるでモデルガンのBB弾のように真丸です。
 直径2cm、深さ3cmのくぼみが一面に並ぶ育種マットに土と種を入れてハウス内で苗を育てます。
 
2.スクスク成長
 芽が出てきた苗は栄養いっぱいの苗床でスクスク育ち、畑の雪解けを待ちます。4月から5月上旬の春の暖かな日差しをいっぱいに受けて、まるで土の絨毯のように整地した畑に定植機で苗を移植します。
 
3.葉が倒れる!!  

 
「根切り作業のひととき」
撮影者:小垣恵子
 
 畑で乾燥させて葉を枯らすことで、根切り作業の際機械の刃にからまなくなり、機械作業がスムーズに進み効率が良くなります。
 
 夏になると、およそ背丈が80cm前後に成長したたまねぎは上に伸びていた葉の成長が止まり、球の成長(肥大)が始まり、見慣れたたまねぎとなります。
 肥大が始まってから1ヶ月半ほどで葉の部分が倒れだします(倒伏)。これは季節に合わせ冬の準備で自発的休眠とも言われています。
 倒伏から約2〜3週間ぐらいに根切り作業を行います。たまねぎの根を切ることで、出荷時期に合わせて生育を止め球に充分な栄養を蓄えさせるとともに形を整え乾燥を促します。
 
4.目的別に機械を使い分け  

 
「自慢の玉ねぎ」
撮影者:澤野玲子
 
 たまねぎは土が付いていると品質が落ちるため、土を落として収穫します。
 
 根切りから、1〜2週間後収穫作業が始まります。
 収穫作業の前に使う機械が根切り機とディガー、根切り機はその名の通り棒状の刃をたまねぎの下に通して根を切ります。ディガーは畑にあるたまねぎを掘り起こし、土を落として乾燥させて後部に付いた横向きのコンベヤーで複数の畝のたまねぎをまとめ、収穫効率を上げます。
 その後ピッカー、タッパーと呼ばれる収穫大型機械で拾い上げコンテナに収めます。
 現代のたまねぎ栽培農家では10ha(100m×1,000m)以上の畑が多く、大型機械が欠かせないようになりました。
 
5.大活躍する大コンテナ  

 
「夕陽を浴びる秋影」
撮影者:空幸雄
 
 雨よけの青いシートを掛け、広い畑の片隅に整然と並べられます。この季節には北見の畑のあちらこちらでにこのような風景がよく見られます。
 フォトコンテストなどにも題材としてよく使われる風景です。
 
 収穫したたまねぎを畑で乾燥させる、選果場に運ぶ、倉庫に貯蔵する、これら出荷を前にした作業に欠かせないのがコンテナです。
 たまねぎ用コンテナは縦118cm、横179.5cm、高さ132.2cmの直方体のものが主に使われています。
 重さは約120kgの鉄製の骨組みで、約1.4tのたまねぎを収納できます。




  
6.みなさんの食卓へ  

 
「畑に煙がなびく」
撮影者:門田和彦
 
 収穫後のたまねぎ畑では、たまねぎの皮を野焼きする風景もよく見られます。
 
 コンテナいっぱいに詰められたたまねぎは畑で乾燥した後、貯蔵倉庫に運ばれます。
 その後順次選果場に運ばれて本格的に選別されます。ライン上で大きさを機械が自動的に区別し、腐れや変形など企画外品のより分けを人の手で行っています。
 1日で160t〜180t、ひとシーズンでコンテナ2,500基、約30,000tのたまねぎが流氷のイラストに「北見玉ねぎ」と書かれた共通のダンボールで選果場から農協、卸市場などを経由して全国各地の皆さんの食卓を目指して出荷されます。