宮城県さけます増殖協会は、昭和53年2月20日に世界各国200海里漁業専管水域の設定等新しい海洋秩序の動向に鑑み、さけ・ます資源の積極的増殖を推進することにより、本県漁業の安定向上に資するため設立されました。
さけ・ますは古くから生まれた川に戻ってくることが知られており資源として大切に利用されてきました。仙台藩の古文書(文政5年=1822年にも、さけの他領地への持ち出しを禁じた記録があります。
このサケを守り育てていくため、100年以上前から人工的にふ化放流事業が行われています。本県でも16の河川で増殖事業が実施されており、毎年、多くの稚魚が放流されています。ふ化放流事業にはたくさんの手間とお金がかかりますが、沿岸漁業者の方々からの協力や国、県、市町などからの援助をいただいて事業を続けています。
さけます増殖事業の仕組み
事業の概要
- 広報事業
- ホームページを開設して、さけます増殖事業に対する県民みな様の理解を得るため、事業の重要性及び事業の内容等を紹介しています。
- 増殖事業体制強化指導事業
- 各水系協会に対してふ化場整備、ふ化場機器、事業従事者研修、海中飼育等の補助等を行います。
- 種卵確保対策事業
- 種卵確保が困難な団体に対しての種卵購入費等の補助を行います。
- 水揚協力金徴収事務補助金
- 宮城県内の魚市場に依頼している水揚協力金徴収に係る経費補助を行います。
- 秋さけ資源の管理及びその利用に関する調整
- 水産庁が主催する「全国秋さけ資源管理調整協議会」「同太平洋部会」等において、さけ増殖団体の立場から意見を述べ、全国的調整に協力しています。
- 増殖事業推進交流会
- ふ化場担当者と海面漁業者が一堂に会して、情報や意見の交換を行い、増殖事業への理解と協力を深めるために交流会を開催しています。
- 技術研修会
- ふ化場担当者の技術向上を図るため、採卵から飼育管理技術に関する研修会を開催します。
- 種卵確保対策会議
- 宮城県と合同開催とし、近年の不漁の対策のため、ふ化場担当者間で協議し、調整を行います。また、状況に応じて他道県の種卵調整や種卵のアンケートの実施も行います。
- 防疫対策事業
- 健康な稚魚を放流するため、疾病の発生を防止する薬品を希望するふ化場に配布しています。
- ふ化放流事業安定対策等
- ・一元管理金 ・さけ稚魚買上事業 ・さけ稚魚放流緊急対策事業等
- 秋さけ増殖事業の安定化に係る要望書の提出
- 秋さけの記録的来遊尾数低迷により、今後の秋さけ増殖事業継続の見通しが厳しい状況となったことから、宮城県や宮城県議会等に対し要望活動を行います。
- 全国さけ・ます増殖振興会による事業
- ・会費徴収納入依頼 ・放流体制緊急転換事業 ・放流体制検討協議会(宮城県)の開催 ・稚魚用飼料斡旋 ・海水適応能試験 ・全国技術普及部会