土づくりの肥料

化成肥料や石灰だけを多用しますと、土が締まって固くなります。堆肥を施用すると土を柔らかくし、水はけと通気がよくなります。 また、土中の石灰分・苦土分は雨で流出して酸性になります。それを調節するために石灰を施用します。

(1)堆肥とは

バーク堆肥・牛ふん堆肥・腐葉土など 本来有機質由来のものをいい、土壌改良剤として施用します。肥料分はごくわずかしか含まれません。 畑が空いている時など、早めに土とよく混和してなじませておきます。

  1. バーク堆肥は、広葉樹の樹皮を堆積発酵したもので、分解は遅く 土壌改良の効果は長く続きます。
  2. 牛ふん堆肥は、牛ふんを中心にワラなどと堆積発酵したもので、分解はゆっくりで 土壌改良の効果は やや長く続きます。
  3. 腐葉土は、広葉樹の落ち葉を腐熟させたもので、分解はやや遅く 土壌改良の効果はとても長い。

(2)石灰とは

消石灰・苦土石灰・有機石灰などをいい、土壌の酸性度合いを調整します。作付する1~2週間前に土とよく混和してなじませておきます。

  1. 消石灰(顆粒生石灰)は、石灰分が中心のアルカリ分が多くて即効性があり、1m²あたり100g程度施用します。
  2. 苦土石灰は、石灰分と苦土分を含みアルカリ55%で1m²あたり200g程度施用します。
  3. 有機石灰は、牡蠣殻や貝化石などの天然資源で、アルカリ分(20~40%)が少ないので 消石灰の2倍を施用します。
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主な野菜の栽培に適した土壌酸度

野菜の栽培に適した土壌酸度

マメ知識

  1. 石灰と肥料や堆肥を一緒に施用しない方がよい。
    一緒に施用すると、石灰のアルカリ分と肥料のチッソ分が反応してガスになり、せっかくの肥料が無駄になります。
  2. 一般の肥料と堆肥の違い
    一般の肥料は作物に必要な養分が含まれています。堆肥は土壌を改良するための資材で作物が吸収する養分はあまり含まれていません。
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畑の準備(元肥の施用~うね立て)

(1)畑の準備

堆肥や石灰は、作付けの2週間以上前に施用し(一緒に混ぜるのは禁物)土とよく混ぜてなじませておきます。

元肥施肥の仕方

(2)元肥の施用

元肥は、作付けの1週間以上前に、うね幅(株間、列間)と作付け本数を想定して施用し、土とよく混ぜてなじませておきます。

注意!!
元肥の施用量は、その前に作付けした野菜の施用量が多い場合、肥料が畑に残っているので 施用量を半分以下にして下さい。

元肥うね立ての画像
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(3)うね立て

作付けする野菜に合わせてうね幅(株間、列間)を決めてうね立てをします。

うね立ての画像1

うねの名称

うね立ての画像2

各農業関係書や園芸関係書を調べても、上記の記述名称は統一されていません。
「うね幅」については、通路幅までを含めた長さとするのも多いですが、 ここでは上記のように致しました。また、マルチ・トンネルの被覆を含めての長さともします。

トンネル支柱・マルチの図 ▲上に戻る

肥料マメ知識

野菜の生育に必要な養分で、さまざまな栄養素があります。
その中でも窒素(チッソ=N)燐酸(リンサン=P)加里(カリ=K)が多く必要で、 これらを「肥料の三要素」と呼びます。この三要素をバランスよく施すことが野菜を上手に育てるポイントになります。 次に重要なのが、石灰(カルシウム=Ca)苦土(マグネシウム=Mg)です。この他にはごく少量で足りる 鉄・マンガン・銅・硫黄・ホウ素・ 亜鉛・アルミ・モリブデン などは微量要素と呼びます。

1、5要素のおもな働き

  1. 窒素(チッソ=N)は、葉や茎の生長に欠かせない肥料で、適正にあたえると葉色がよく 成長が旺盛ですが、 逆に過ぎると、葉が大きくなりすぎたり草丈が伸びすぎたりして軟弱になり、病害におかされやすくなります。 やり方に一番注意しなければならない肥料です
  2. 燐酸(リンサン=P)は、花や実の生長に欠かせない他に、根の生長も助けます。開花・結実を促進して、果実の糖度を高めます。 細胞組織を強くし、病害に対し抵抗力が増します。多少過ぎてとしても たいした支障はおこしません。
  3. 加里(カリ=K)は、植物体内の糖分・タンパク質の合成や転流など重要な役割を果たし、又病害や寒暑に対する抵抗性を高めます。 特に球根類には必要です。あまり過ぎると石灰や苦土の吸収を悪くします。
  4. 石灰(カルシウム=Ca)は、体内でできる酸を中和し、体の組織を丈夫にします。又土壌の酸性を中和し土壌を団粒にする働きがあります。
  5. 苦土(マグネシウム=Mg)は、葉緑素の構成成分で、欠乏すると葉色が悪くなり成長が衰えます。又リンサンの吸収を助けます。
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2、肥料の種類

化学肥料(無機質肥料)

科学的に合成されたり、天然の鉱物を利用して作られた肥料です。 単一の成分を含むもの(単肥)と、2~3以上成分を含んだ化成肥料とがあります。
一般的に速く効きますが、肥効を遅くしたり(遅効性)ゆっくり効かせる(緩効性)化成肥料もあります。

化学肥料の特徴

有機質肥料

有機質由来の肥料で、油かす・骨粉・鶏ふんなどがあり、いろいろな成分が含まれ、 効き方はゆっくりしています。成分濃度が低いため、肥当たりなく使いやすいのが特徴です。堆肥類も有機質肥料に入りますが、 含む成分が少ないので土壌改良用として考えたほうがよいでしょう。

有機質肥料の特徴

複合肥料

有機質肥料と無機質肥料を混ぜ合わせて作られた肥料で、両方の特徴を併せ持っています。 いろいろな混合割合で特徴ある肥料があります。

肥料計量の目安

計量の目安

肥料(明星・マグホス)の簡易計量方法*すりきり1杯の重さです*

表示量 大きさ(約)mm 明星1号(約)g マグホス(約)g
ヤクルト 65ml 高70×上20・下33 50g
ヤクルトジョア 125ml 高85×上38・下43 100g
紙コップ 205ml 高80×上67・下50 150g
プラスチックコップ 275ml 高95×上70・下50 200g
プラスチックコップ 420ml 高120×上80・下55 300g
ヨーグルト容器 112g 高70×上62・下47 110g
ヨーグルト容器 70g 高55×上62・下50 90g
ヨーグルト容器 70 高50×上55・下45 70g
米 計量器 180ml 高70×上62・下45 130g

高=高さ 上=上部内径 下=下部内径

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