FIRST 最先端研究開発支援プログラム 原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用

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中心研究者紹介

外村 彰 AKIRA TONOMURA PRIFILE

1965年東京大学理学部 物理学科卒業。(株)日立製作所 中央研究所入社。1999年同社フェロー、2000年米国科学アカデミー(NAS)外国人会員、2001年(独)理化学研究所 単量子操作研究グループディレクター兼務、2005年(独)沖縄科学技術研究基盤整備機構 沖縄大学院大学先行的研究事業 電子線ホログラフィーユニット代表研究者兼務、2007年日本学士院会員、現在に至る。

1978年、10年の歳月をかけて100kVの電界放出型ホログラフィー電子顕微鏡を開発。磁力線の動的観察に初めて成功。

1986年にはアハラノフ・ボーム(AB)効果を検証する。AB効果とは、“電場や磁場のない空間を通る電子にも物理的な影響が及ぶことがある”という不思議な現象で、長い間論争が続いていた。我々の実験によって、古典論では数学上の産物と考えられてきたベクトル・ポテンシャルが電場や磁場よりも基本的な物理量であることが実証された。

1989年には、超伝導体中の量子化された渦である磁束量子が川のように流れる様子や、磁束量子の渦と反渦が対消滅する現象を動的に観察した。さらに、超伝導状態を維持するために必要な磁束量子ピン止めのミクロなメカニズムの直接観察が可能になった。

2000年には、構想から17年を経て、1MVのホログラフィー電子顕微鏡を実現。格子分解能0.5Åは世界一を誇り、高温超伝導体内部の磁束量子状態の観察やスピントロニクスの磁性体の研究等に威力を発揮している。

当プロジェクトを紹介したビデオ(3分)を掲載しました。
外村彰博士が登場して、世界のトップを目指す執念を語っています。このビデオはFIRSTサイエンスフォーラムのHPでも、30のFIRSTと共に掲載されています。
http://first-pg.jp/about-us/about-30.html

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