FIRST 最先端研究開発支援プログラム 原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用

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プロジェクト内容

本プロジェクトでは、ミクロの世界の量子現象を観察する“ホログラフィー電子顕微鏡”を開発します。これにより、原子分子の情報が決め手になりつつある最先端の物質科学、生命科学、環境技術等の進展に貢献するだけでなく、量子の世界を切り拓き基礎科学の発展に貢献することが期待されます。

原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発概要

原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡は、電子銃や加速管を格納した鏡体と、高電圧発生装置、電子銃制御装置の3つを別々タンクに分離した構造になります。これにより、高電圧安定性を確保し、電界放出電子銃を安定して動作させます。

原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡は、2000年に実現した1MVホログラフィー電子顕微鏡をベースにし、これを発展させ更なる開発が行われます。

電子の「波」としての性質を利用して、原子レベルでの電場、磁場の測定、量子力学的現象を3次元で観察しますが、その性能・機能を満たすために様々な装置や機能が盛り込まれます。

輝度の高い電子を発生させるためには、鏡体を高い真空に保つ必要があります。今回、非蒸発ゲッターポンプと呼ばれるポンプを使用して電子銃部分の超高真空を可能にします。

電子レンズ」には、パーマロイやパーメンダーといった特殊な磁性材料を多量に使用します。パーマロイは鉄とニッケルの合金で、微少な磁場の変化に対して容易に応答する特長があります。パーメンダーは鉄とコバルトの合金で、強い磁場を発生させることができます。

超高分解能実現のために収差補正器を搭載します。軸回転対称のレンズでは消せなかった球面収差を6極子レンズの使用により消すことができ、レンズ性能を飛躍的に向上させることができます。

振動・防音対策も重要な機能の一つです。ホログラフィー電子顕微鏡の鏡体そのものの振動はもとより、音響による振動が、原子レベルの観察を妨げます。そのため、音・音響防止の対策として、鏡体や真空ポンプを防音ボックスで囲う技術が投入されます。

完成予想図

研究計画

研究計画

プロジェクトでは、製作発注、共同研究等を通じ、国内技術を結集して研究開発を推進しています。

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